この子らに
地球は青かった──ユーリ・ガガーリン
大島博光
わたしにも たくさんの孫たちがいる
くりくりした 鳩眼の
愛くるしい 頬っぺをした孫たち
まるで人生の第一歩を踏み出したように
うれしそうに にこにこして
よちよち歩きを始めた子もいる
赤いリボンを髪にゆわえて
元気に幼稚園へ出かけてゆく
おしゃまな孫娘もいる
いつも 犬ころの兄弟のように
とっ組みあい ころげまわって
母親をはらはらさせている子らもいる
これから 生ぶ声をあげようと
母親の 胎のなかで
さかんにうごめいている子もいる
おお 泣きわめいたり 笑ったり
いのちに溢れて 賑やかな孫たち
春の雨のあとの 若草のような君たち
二一世紀には この子らは
もしも まちがいがなければ
まちがいなく 若者になる
この子らの
蕾と花と果実にみちた未来を
原爆などで 灰にされてなるものか
この子らの
太陽と風と雨を約束された未来を
核の冬などに 凍らせてなるものか
未来とは この子らが
あけぼのをめざして 鳩のように
遠く 飛んでゆくことだ
未来とは この子らが
ひとを愛する悦びに顧えて
永く 生きつづけてゆくことだ
そしてわたしらの生きたあとを継いで
わたしらのたたかいとった陣地を越えて
遠く たたかいすすんでゆくことだ
この子らに おくりとどけたい
おくりとどけなければならない
脈うつ二一世紀を 青い地球を
(1985.2.15「赤旗」)
地球は青かった──ユーリ・ガガーリン
大島博光
わたしにも たくさんの孫たちがいる
くりくりした 鳩眼の
愛くるしい 頬っぺをした孫たち
まるで人生の第一歩を踏み出したように
うれしそうに にこにこして
よちよち歩きを始めた子もいる
赤いリボンを髪にゆわえて
元気に幼稚園へ出かけてゆく
おしゃまな孫娘もいる
いつも 犬ころの兄弟のように
とっ組みあい ころげまわって
母親をはらはらさせている子らもいる
これから 生ぶ声をあげようと
母親の 胎のなかで
さかんにうごめいている子もいる
おお 泣きわめいたり 笑ったり
いのちに溢れて 賑やかな孫たち
春の雨のあとの 若草のような君たち
二一世紀には この子らは
もしも まちがいがなければ
まちがいなく 若者になる
この子らの
蕾と花と果実にみちた未来を
原爆などで 灰にされてなるものか
この子らの
太陽と風と雨を約束された未来を
核の冬などに 凍らせてなるものか
未来とは この子らが
あけぼのをめざして 鳩のように
遠く 飛んでゆくことだ
未来とは この子らが
ひとを愛する悦びに顧えて
永く 生きつづけてゆくことだ
そしてわたしらの生きたあとを継いで
わたしらのたたかいとった陣地を越えて
遠く たたかいすすんでゆくことだ
この子らに おくりとどけたい
おくりとどけなければならない
脈うつ二一世紀を 青い地球を
(1985.2.15「赤旗」)
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