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記念美術展の作品(1)

ここでは、「記念美術展の作品(1)」 に関する記事を紹介しています。
彫刻
「トルソ」 岩田 實之
<作者より>
 トルソとは、イタリア語で首および四肢を欠く胴体だけの彫像のことです。素材は御影石で、石のなかでは硬いもので、私はあえて硬い素材を使って人体特有の柔らかさとともに、静かな生命感を石の中に求めたものです。
 実際の制作の時、素材である石が先にあって其の中に形をみいだすことが多々あり、この作品も其の中の一つです。ですからデッサンや模型のようなものは一切ありません。石の四面に赤鉛筆で大きなアウトラインをデッサンして彫り進めて行きます。石との対話がとても重要なところで、そこから造形が生まれて来る。仕上げは、粗さの違う砥石を使い、フォルムと自分の求めている表現とが一致した所で完成します。

彫刻
「風の子」─輪回し─  大島 美枝子
<作者より>
 「風の子」シリーズは、私が小学校に勤めていた時の作品です。「輪回し」は自転車屋さんが寄付してくれた車輪を棒で押して転がしていくんですが、これが中々難しくておもしろい。私も夢中になりましたが、子どもにはかないません。

彫刻
「世界はいろんないろでできている」  山本 明良
<作者より>
 石を切るダイヤモンドカッターで溝を切り、糸を埋めこんでつくった仕事です。硬い石のかたまりとしなやかな糸とが絡み合うなかで醸しだされる美しさを仕事の目標としました。石は南アフリカ連邦の黒みかげ石、ベルファーストという名の石です。ベルファーストはアイルランドの町の名で、移民した人々が名づけたこの町で産出するのでこの名が石の名になっています。糸はインドやネパールでつくられたリサイクルの糸です。
 タイトルの「世界はいろんないろでできている」という由来は、あの9.11の不幸な出来事以来、ひとつの価値の基準が世界の価値の基準ではなく、もっと多様な価値が世界にはあるのだということを思い知らされました。自然界はもうとっくに多様な植生の中で多様な生を営んでいるというのに。嘆いてばかりはいられません。アートで何が可能か挑戦したいとおもっています。

彫刻

(撮影 藤田観龍氏)
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