人民の木
四百年来、収奪の車はまわりつづけた。かつて黄金を積んで運んだ車は、こんにち、銅、硝石、コーヒー、砂糖、ゴムを積んでまわっている。掠奪されて、みずからは飢餓にうめく国で、「人民の木 革命の木」は伸びる。おそるべき搾取と拷問につちかわれ、侵略者たちに殺された死者たちの血を吸って、伸びる。
血ぬられた、飢えた大地から、民族の解放と自由をめざしてたたかう英雄たち──解放者《リベラトリス》たちが立ち上がってきた。『大いなる歌』の第四章は、それら解放者たちへの讃歌である。それは、バルトロメ・デ・ラス・カザス、トキ・カウポリタン、ラウタロ、オヒギンスから、サン・マルチン、ミランダ、マニュエル・ロドリゲス、マルチ、ザパタにいたり、現代のチリ共産党の創立者レカバーレン、あるいはブラジルのプレステスにいたる、革命的伝統の年代記《クロニクル》であり、ラテン・アメリカの英雄群像である。
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