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未来の歌(ザジャール)──女は男の未来だ

ここでは、「未来の歌(ザジャール)──女は男の未来だ」 に関する記事を紹介しています。



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 この詩のなかにある「女は男の未来だ」という言葉は、『エルザの狂人』の帯封にもしるされていて、いわばこの書の標語のようにも見なされている。しかしこの言葉は、ジャン・シュールも言うように、社会学的な意味でのスローガンではない。また、「原子力は産業の未来である」というような意味で読まれるべきものでもない。この言葉はひとつの詩的発見であり、詩的直観である。この言葉は、女の愛こそ男の未来を約束し、示すということを意味しているのではなかろうか。この言葉の背後にはむろん「人間は人間の未来である」という有名なマルクスの言葉が透けて見える。その点についてアラゴン自身もつぎのように語っている。
 「『エルザの狂人』の帯封には〈女は男の未来だ〉というこの本の一節がしるされている。ある批評家はこの言葉を〈人間は人間の未来である〉というカール・マルクスの思想の改作と見なそうとした。ドイツの哲学者(マルクス)は、DieZukunftdesMannes(男の未来)とは書かずに、男と女を包含する言葉、DieZukunftdesMenschen (人間の未来)と書いたのだ。こういうわけで、わたしはカール・マルクスの思想に違反しているとは思っていない。……」

 自分の蒔いた種子をほかの人たちが摘みとるためにひとは死をも辞さない
 ここにうたわれているのは、社会主義的な新しい愛であり、社会主義的ヒューマニズムである。
(新日本新書『アラゴン』)

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