*「山と川(おいでいっしょに)」(詩集『船長の詩』 1952年)と同じく、闘いへの参加を呼びかける詩ですが、こちらのほうは具体的で説得力がありますね。1972年頃のチリの切迫した政治状況が背景にあります。
わたしといっしょに行こう
パブロ・ネルーダ
そのためだ わたしがきみと連れだってここにいるのは
何ものにもましてすばらしい チリのためだ
太平洋のためだ 太平洋にいるすべての漁師たちのためだ
わたしたちの鴬《うぐいす》のような 子供たちのパンのためだ
汗を流して掘った 銅と硝石のためだ
小麦粉のためだ 土地よこせ闘争のためだ
よき飲み友だちのため 女友だちのためだ
海のため 薔薇《ばら》のため 穂《ほ》のためだ
みんなが忘れてる 故郷のひとたちのためだ
学生のため 兵隊のため 舟乗りのためだ
すべての国の すべての人民のためだ
鳴る鐘楼《しょうろう》のためだ また木の根のためだ
そのときからこの世界を昼の方へとみちびく
すべての大道のためだ 小道のためだ
そして あけぼのの空に ひるがえる
わたしたちの赤旗のためだ 自由のためだ
この団結のなかにこそ わたしの歓喜《よろこび》がある
さあ わたしといっしょに たたかおう
わたしの詩の武器を みんなきみに預けるから
(大島博光訳『ニクソンサイドのすすめとチリ革命への賛歌』)
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