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夫婦愛の深さに心打たれた──吉岡よし  『冬の歌』感想文集

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吉岡


1991年11月、松代で開催された「大島博光『冬の歌』刊行記念のつどい」にあわせて、「メッセージ・感想文集」が発行されました。友人や詩人会議、長野詩人会議のメンバーら44名が文章を寄せています。

表紙



                    吉岡よし(長野)

 夫婦愛の深さに心打たれた『冬の歌』。パーキンソン病という難病に倒れた夫人の姿に四十年の思いを込めて悲嘆にくれる夫の気持がひしひしと伝わって涙を誘われました。
 戦後間もなくの頃だったと思います。松代に疎開していらした大島夫人が、本を抱えて逓信局を始め各職場を廻って居られた姿を垣間見たことがありました。その後、度々お会いして親しく話などするようになりました。あれから四十年経て、今病床に…。あのたくましい夫人がと思うと胸が痛みます。
 『千曲川 その水に』。結婚前に私にくれた夫の詩に、「千曲川で産湯を使った」というくだりがあって、何とキザな人だろうと思いながらも、千曲川という美しい名に魅かれて長野へ来てしまった私。然し、その名の通り、川も山も美しい信州。すばらしい詩人を生んだ千曲川。やっぱりこの詩が一番心に残ります。
(『冬の歌』刊行記念のつどい メッセージ・感想文集 一九九一年十一月)
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