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2 解放の時がやってきた(1)

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 解放の時が


(『レジスタンスと詩人たち』 第三章 レジスタンスの勝利)

 
叙事詩





2 解放の時がやってきた

解放闘争は長期にわたる戦闘であった。最初に占領軍から解放されたフランスの県はコルシカであった。この美しい島は、ほかのフランスの地方と同様に占領された。三万のイタリー軍と一万二千のドイツ軍が、コルシカの町や村むらをがっちりと抑えていた。
一九四〇年以来、抵抗運動が組織され、一九四三年には大多数の住民がレジスタンスを支持した。一九四一年五月に創設された国民戦線《フロン・ナショナル》がもっとも多くの活動家を組織し、すべての政治的傾向をもった男女を結集していた。ジロー将軍はドイツから脱出するとアルジェリアに行って、そこでフランス自由軍(FFL)の指揮をとっていた。コルシカ住民の蜂起を援助したのはこのジロー将軍であった。
ジロー将軍はパラシュートでコルシカの愛国者たちに武器を送り、あるいは潜水艦カザビアンカ号によって武器をとどけた。一九四三年九月八日、ムッソリーニが罷免され、イタリーが無条件降服すると、コルシカに進駐していた多くのイタリー兵は武器を放棄して戦闘を拒否した。その日、アジャクシオの市民はさっそく立ち上がってデモをくりだし、翌日には県庁を占領した。ゲリラが全島で蜂起し、国民戦線は主要な敵ドイツ軍に攻撃を加えた。多くの場合、イタリー兵はすでにゲリラ隊に合流していた。こうしてナチの軍艦に占領されていたバスチア港も解放された。十月五日、ついに激戦ののち全島が解放された。この解放は全島の人民じしんの手によるものであった。それはレジスタンスの最初の大勝利であった。このニュースをきいて、まだ占領されていた全フランスが歓喜の声をあげた。
(つづく)
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