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エリュアール  黄昏と疲労

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黄昏と疲労


(『蠟人形』1941年2月)
 
神代



 黄昏と疲労
               ポール・エリュアル
               大 島 博 光 訳

暗鬱な光りのなかに凍り窮迫し
嘔吐をさそふ動かぬ影のなかに苦々しく熱にあつく
完璧なる額の
訣別の人 真理なる人生

恐怖の茂み塵埃は息きづく

すべてを見
見ることをやめてしまった眼の
痩せおちた美しさが出てゆく
軽く天蓋より
影は大地のなかに隠れる しかし私は残ってゐる
日の光りは泥のなかに落ちる しかし私は耐へる
不器用な肉體有用なる精神。
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