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紙芝居「松代藩8代藩主真田幸貫、参勤交代の地蔵峠越え」(上)

ここでは、「紙芝居「松代藩8代藩主真田幸貫、参勤交代の地蔵峠越え」(上)」 に関する記事を紹介しています。
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松代藩8代藩主真田幸貫(57歳)、弘化3年8月8日、参勤交代「地蔵峠越え」これは松代藩の参勤交代が始まって200年、例を見ない異例のものでした。

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旅の終わりは豊栄の明徳寺でのお昼を兼ねた宴会。
突然の出来事の受け入れを余儀なくされ、責任者と指名された関屋村の名主半田斧右衛門。この斧右衛門がすべてを書き残した多くの記録が見つかりました。これで断片的に語り継がれてきたものの全体像が明らかになったのです。

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それではなぜ異例だったのか。通常は江戸から中山道、追分から北国街道に入り、5泊6日。
ところが弘化3年の参勤交代では、まず江戸から日光街道です。
それはこの年、幕府より日光御名代参拝を命じられたのです。
そのため、日光街道で日光へ、そこから日光例幣使街道に入り、高崎から信州街道鎌原大笹を経て鳥居峠、上田領の信綱寺から地蔵峠、そして豊栄の明徳寺と、15泊16日をかけたのです。

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真田幸其は老中松平定信の次男です。1815年真田家の養子となり、1823年33歳で8代藩主となりました。
そして外様大名だった松代藩は譜代大名となったのです。
1841年老中就任。その間現場主義、実力主義の幸貫は地域の発展、養蚕、教育、佐久間象山をはじめ、有能な人材を抜擢、各村の名主、三役を公選で選ぶなど政治改革も行ってきました。特に教育では、藩士の子弟達の文武奨励を目的に、佐久間象山らの意見も入れて、漢学、漢方西洋医学、西洋砲術、剣術、槍術をそなえた文武学校を創立しました。

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1790年、地蔵峠から鳥居峠までが整備され、北国街道の脇道として便利になりました。
また1813年、吾妻銀右衛門(あがつまぎんえもん)が願い出た、関屋村と地蔵峠の中間にある白石新田の開発が1834年に完成して、その完成祝いには幸貫も出席、村の行事に藩主が出席することは今までに無いことなのでみんな大張り切り。大空に笛、太鼓を響かせ、関屋村赤柴の大神楽が先導したのです。
おかごの中でそれを聞きながら、殿様も楽しくなったことでしょう。銀右衛門の自宅で見た余興の獅子舞いには目を奪われました。

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銀右衛門の家の池で殿様初体験。池の鯉を釣ったのです。新鮮この上ない鯉料理を召し上がりました。
また、遠くに長く続く白いソバの花を見て川と勘違い。
後にこのソバの味に大満足して「市の川(いちのか)」と名付け将軍様に献上しました。
それからこのソバは豊栄の人達の自慢の品になったのです。

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弘化3年4月16日。よほど急だったらしく藩の役人が来て口頭で名主斧右衛門に伝えました。
「今回の参勤交代は鳥居峠、地蔵峠を越えて帰られる。明徳寺で休憩、昼食を召し上がる。その接待については関屋村が中心になって隣接の村々と協力し準備するように。そしてこの旨至急明徳寺に連絡し、承知するように伝えよ」
あまりに急で重大なことなので斧右衛門はただあっけにとられ返事をすることもできませんでした。
当時関屋村は108軒、人口は585名で、この地域の中では大きな村でした。

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6月1日の夕刻、各村の代表三役を集め、代官の西村様から殿様の明徳寺での御休息について亭主役としてどう心得るか、とおたずねになりました。関屋村の斧右衛門が代表して「いずれにつきましても、お代官様の申しつけ次第にございます」と答えました。代官は、「その方が村方の寺のことにて責任者としてその方の頭、首がかかっている」との答えに斧右衛門の背中に冷たいものが走りました。

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「仰せつけの通りにするのなら、早速矢代宿本陣に行き、用意万端手抜かりのないようにせよ」ということで6月14日矢代本陣、柿崎源左衛門のもとに組頭伝兵衛を書き取りに行かせました。

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それから間もなく地蔵峠の見分として、4月から殿様が到着する8月8日まで、宿泊する藩の役人が延べ620名が入りました。
宿泊受け入れ先は、関屋村 元右衛門宅24名、忠兵衛・嘉右衛門宅27名、権兵衛宅9名
欠村 宜治宅28名、兵右衛門28名、地蔵堂(現在の公民館)宿泊他まかない220名

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宿泊が長期にわたるので受け入れた家は大変でした。献立の内容も指示されていたので村の女達は慣れるまでてんてこ舞い。
男達はこれから始まる大掛かりな普請があります。
(つづく)

松代在住の赤澤節子さんが創作した紙芝居を紹介します。昔の松代の人々の様子が生き生きと描かれています。


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