抉りとられた臓腑
大島博光
真昼の白い腹部
白日の悪夢は 明るい顔で出没する
眼覚めた巨大な空虚を埋めるために
すべての道に隈に蔭に
そこに全ては白い手に愛撫され 忘却され欺かれ
すべては眼覚めながらうなされている
光りと影のたわむれる罠のなか
けものは跳びながら 躍りながら臓腑を抉りとられる
腐敗と睡眠が並んで訪れる
睡眠の林の入り口 鉛の影はさまよい
けものは中へはいれない
腐敗の穴の入り口 けものの影はさまよい
鉛は中へはいれない
夜の鳥は逃げた
沈黙が来るだろう
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