悲 歌
武井脩(花岡脩)
街は灯なく
酒をくばり
あてどなく塵芥を焼く
とほい営みの声がする。
あの声よ
あのこえに旅は離《さが》り
構える腕に経帷子はとほされる
この色よ このいろに犬は酔ひ
まぶたの様な
港を嗅ぎ
されば母よ 金の雲よ
白痴のやうな盃は嚥み
荒れゆく海を眺めよう
(わだつみのこえ記念館所蔵資料より)
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