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「チリよ、われらは汝の名をむだには呼ばない」─チリ映画人の奮闘を語る二つの映画  山田和夫

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(『チリ人民連帯ニュース』第25号 1984年8月25日)

*「チリよ、われらは汝の名をむだには呼ばない」の撮影を担当したのが映画「夢のアンデス」に出演したパブロ・サラスでした。(映画パンフレット)



チリ映画人の奮闘を語る二つの映画
                                    山田和夫 

 昨年十一月の「第26回ライプチヒ国際記録・短編映画祭」のが最大のイヴェントは、チリ国内で撮影された長編記録映画「チリよ、われらは汝の名をむだには呼ばない」でした。
 一昨年のライブチヒ映画祭は、ピノチェトによるチリの軍事クーデター十周年に当たるので、恒例の回顧上映プログラムのテーマに「チリ─人民解放闘争における映画」をえらび、人民連合政権時代と軍事クーデター以後のチリ映画人による記録映画がまとめて上映されました。このプログラムも感動的でしたが、そのほとんどはクーデター以後、海外のチリ亡命映画人の手によるものでした。そこへ送られて来たのが、前記「チリよ…」です。
 これはすべてがチリ国内で非合法に撮影され、秘密裡に国外に持ち出され、パリで編集・完成されたもの。一九八二年九月から一年間にわたるチリ国内における反軍事独裁のたたかい─「デモや集会が順次、克明に記録され、一九八三年九月、クーデター十周年にアジェンデ大統領の墓前で開かれた集会とそれに
純く行進で幕を閉じます。追い散らされても、追い散らされても、押し寄せる波のようにひるむことなく繰り返すチリ人民のたたかいぶり、それが衝撃的で
した。
 映画祭当局は開会式当日に到着したこの映画の重要性に鑑み、回顧上映ではなく、コンクールのプログラムに急遽組み込み、審査の結果、審査員特別大賞の栄誉に輝きました。
 私は映画祭に参加した同映画の代表と会い、日本での上映を申し込みましたが、完成したばかりで、海外上映の準備はこれからということで、先方から連絡を待つ約束をとり交しました。ぜひ、日本での上映を実現させたいと、問い合わせ中です。
 また、昨年のモスクワ国際映画祭で金賞を獲得したニカラグア初の長編劇映画「アルシノとコンドル」は、チリ亡命映画監督ミゲル・リッティンの手に成るもの、こちらはすでにフィルムが到着、日本版制作に入っています。ニカラグア解放戦を少年アルシノの眼を通して描いた秀作で、公開時期・場所は未定ですが、この映画もチリ人民連帯運動に貢献出来るものと信じています。(映画評論家)

(『チリ人民連帯ニュース』第25号 1984年8月25日)
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