アンダルシアのマジュヌーンは異端として裁判にかけられる。ひとりの女を崇拝することは、つまり神に向けるべき崇拝を女性にむけることは宗教に反する罪となるからである。それに彼の狂気はその不信心をかくす仮面にすぎないのではないか。彼は牢獄に投げこまれる。そこにはまた「姦淫の罪を犯した男」が投げこまれていた。
……
牢獄のなかで、牢番はマジュヌーンに歌を強要する。軍司令官のムーサもまた彼を蒸し風呂の浴場に呼んで歌わせる。その後マジュヌーンは釈放されてふたたびおのれの愛の舞台グラナダをみいだす。
(『エルザの狂人』 第4章解説)
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