炎のように燃えて 大島博光
わたしはまだ 夢うつつのなかにいる
夢がさめないのだ
現実であったものが夢になって
この世には 言葉で言えぬこと
言いつくせぬこと 現わしがたいことが
あるのかも知れない
しかし 言われぬことは 表現されぬことは
ほとんど存在しないもおなじことなのだ
わたしはまだ 夢うつつのなか
わたしのなかは まだ火事だ
火照りの記憶が 赤く熱く燃えて
こんな深い泉に めぐり会おうとは
マチスの画を 見るような
こんな生きる悦びに出会おうとは
わたしはまだ 夢うつつのなか
わたしは 夢うつつ 熱のなか
愛の波に揺られて 船酔いのなか
わたしは 夢うつつ 火事のなか
記憶が 赤く熱く燃えて 火照りのなか
わたしは 夢うつつ 胸が高鳴る
こじゅけいを捕えた 子供のように
わたしは 夢うつつ 火照りのなか
稲妻が輝らした 薔薇ゆえに
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