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大いなる歌──5.人民の木 革命の木

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(『愛と革命の詩人ネルーダ』)

木々



  人民の木 革命の木

 こうして四〇〇年来、収奪の車はまわりつづけた。かつて黄金をつんで運んだ車は、こんにち、銅、硝石、ゴム、砂糖、コーヒーを積んでまわっている。掠奪され、搾取され、みずからは飢餓にうめく国に、「人民の木 革命の木」は伸びる。おそるべき搾取と拷問につちかわれ、征服者たち、侵略者たちに殺された死者たちの血を吸って、伸びる。

見てくれ この木を
ざわめく革命の木だ 人民の木だ
木の葉が 樹液から萌《も》えでるように
英雄たちは 大地から 湧き出る
そして 風が吹けば
木の茂みは いっせいに ざわめき鳴り
パンの種子《たね》は 熟れて
ふたたび 地に落ちる

見てくれ この木を
この木を育てたのは すっぱだかにされた死者たちだ
鞭《むち》でたたかれ 傷だらけにされ
無残な顔をした死者たちだ
槍で 串《くし》刺しにされ
燃えさかる火で あぶり殺され
斧で 首を斬りおとされ
馬に縛りつけられて 四つ裂きにされ
教会で はりつけにされた死者たちだ

見てくれ この木を
たくましい根をした この木を
殉教者の骨を 吸いとり
その根で 流された涙を飲みこみ
土にしみこんだ涙を吸いあげて
それらを 枝えだにくばり
梢《こずえ》のさきにまでとどけた……

 血ぬられ飢えた大地から、民族の解放と自由をめざしてたたかう英雄たち──解放者《リベラトリス》たちが立ちあがってきた。『大いなる歌』の第四章は、それらの解放者たちにささげられた讃歌である。バルトロメ・デ・ラス・カザス、トキ・コーポリカン、ラウターロ、トパック・アマルー、オヒギンスからサン・マルチン、ミランダ、マヌエル・ロドリゲス、マルチ、ザバタにいたり、またチリ共産党の創立者レカバーレン、あるいはブラジルのプレステスにいたる、革命的伝統の年代記《クロニック》であり、ラテンアメリカにおける革命的な英雄たちの群像である。



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