ネルーダの『死んだ義勇兵たちの母親にささげる歌』はつぎのように書かれている。
いやいや! かれらは死にはしない! かれらは硝煙のただなかに
すっくと立っている
燃える蝋燭の芯のように
銅色の原っぱのなかに
かれらの清らかな影は かさなりあっている
敵をさえぎる風の幕のように
怒りの色をした柵のように
まるで胸のように 目に見えぬ空の胸のように
お母さんがた! かれらは麦畑の中に立っている
ひろい野っぱらを見おろす
深い正午《まひる》のように高く
打ち鳴らす鐘の音のように
殺された人たちをぬって
勝利をきたえる 黒い声のように
かれらは 血に染まった石の下の木の根になっただけではない
かれらの散らばったあわれな骨は
土にまみれ込んでいるだけではない
かれらの口は まだ乾いた土くれを噛み
鉄の海のように わなわなと身を顫わせ
高く振りあげた拳は 死に抗議しているのだ
……
「スペインの人民軍、義勇軍、さらに国際義勇軍は、およそ二年ちかく、国際ファシスト軍にたいして英雄的にたたかったのであった。
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