きみたちは倒れなかった

きみたちは倒れなかった
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ラファエル・アルベルティ

砲弾のうがった大きな穴のあたり　陽にさらされ寒さに凍え　雨にうたれ霜をかむった死者たちよ
また　その葉の軽やかさで　きみたちの血のしたたりで
旋律となって顫える草のうえの　死者たちよ！

おお　そこにまき散らされた若い肉体よ
生まれた悲しい大地からいや応なく　抜きとられ
さっそく　ふたたび　ごく自然に　種子となり
戦争のつくりだした畝に蒔かれる　きみたち

聞こえてくる　きみたちの芽ばえが　執拗な努力が
堅い大地を　ふたたび押しあげるきみたちの声が
大地は　きみたちに穂のかたちを与えながら
小麦の花のなかに　未来の青春を感じとる
きみたちは死んだと　いったい誰が言ったのか
す速い弾道があげる唸りのなかに　聞こえてくる
ざわめきが新たに生まれた栄光の歌声となるのが
墓掘人どもの　鶴嘴やスコップから遠く離れて

兄弟たち　生けるきみたちをけっして忘れない
いまこそ　われら多数者といっしょに歌い給え
額を昂然と　自由な風へ　海へ　生へ向けて
きみたちは死者ではなく　新しい青春なのだ

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