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ディリリとパリの時間旅行──芸術と文化の花咲く二〇世紀初頭のパリ、混血の少女が大活躍

ここでは、「ディリリとパリの時間旅行──芸術と文化の花咲く二〇世紀初頭のパリ、混血の少女が大活躍」 に関する記事を紹介しています。
 ディリリはフランス領ニューカレドニアで現地人の母とフランス人の父との間に生まれたハーフの女の子。エッフェル塔の下、万国博覧会で原始の生活を見せる人間動物園に出演している。故国で肌の色が明るいと言われて意地悪され、独りで船にもぐり込んでパリに来たのだ。配達人をしている青年オレルと知り合い、休日に自転車の荷台に乗って美しいパリの街を巡る。「ルイズ・ミッシェル女史の講演会開催」の看板を見て「私の先生に会える」と喜ぶディリリ。政治囚としてニューカレドニアに流刑になったパリ・コミューンの赤い処女=ルイズ・ミッシェルから教育を受けたのだ。
 町は男性支配団と名乗る復古的な集団による少女誘拐事件で持ち切りだった。好奇心と正義感旺盛のディリリは少女たちを助けるためにピカソらに聞いてまわるが、逆に追いかけられるハメに。実は男性支配団は警視総監とつながりがあり、権力に泳がされていたのだ。ディリリはパリ中を逃げて回る途中で多くの有名人とめぐりあうが、結局捕まってしまう。しかしルイズ・ミッシェルの弟子は強かった……。最後に開放された少女たちが飛行船で夜のエッフェル塔を巡るシーンは息をのむほど美しい。

 夕暮れのヴァンドーム公園、着飾った人々の集うオペラ座、チュイルリー公園や凱旋門など目を見張る美しさのパリが描かれる。一九世紀末から二〇世紀初頭の自由闊達で華やかなパリは世界から多くの才能をひきつけた。マリ・キュリー、パスツール、ピカソやマティス、プルーストやアンドレ・ジッド。サティがピアノを弾き、ロートレックが描いたショコラが踊り、いたるところにミュンシュのポスターが貼られ、オペラ歌手エマ・カルヴェがドビュッシーを歌う。パリ・コミューンの闘士=ルイズ・ミッシェルが重要な役柄を果たせば、女性進出のシンボル、コレットやクローデルが登場(パンフレットによるとイサドラ・ダンカンやローザ・ルクセンブルグまで)。ストーリーも性差別や人種差別など様々な差別に対抗して自由と平等、ヒューマニズムの素晴らしを歌っていて感動的。
オスロ監督は白人を主人公にしないという差別反対の徹底ぶり。芸術・文化を築いた巨人たちを子供たちに知ってもらいたいとの意図で、100人以上の著名人を登場させた。

監督 ミッシェル・オスロ
2018年 フランス・ベルギー・ドイツ

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ピカソを訪ねたディリリとオレル


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