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チリ人民連帯日本委員会設立のよびかけ(1974年2月)

ここでは、「チリ人民連帯日本委員会設立のよびかけ(1974年2月)」 に関する記事を紹介しています。
チリ人民連帯日本委員会設立のよびかけ

 わたしたちは、一九七三年九月十一日を忘れないでしょう。
 民主的な選挙によって合法的に成立したチリのアジェンデ人民連合政府が、この日、アメリカにあやつられた軍部右翼勢力のクーデタによってうち倒されたのです。アジェンデ大統領は、この非道なファッショ的暴力に屈することなく、人民の委託をさいごまで守ってたおれました。爆撃と銃声のひびくなかで、ラジオをとおして人民によびかけたアジェンデのさいごの声は、死を越えていまなお力づよく鳴りひびいています。

 クーデタからすでに四ヵ月余、この間、チリの愛国者は、報道されただけでも、八万をこえる人びとが虐殺されたほか、三万五千人が逮捕され、うち約一万数千人が極寒の地ドーソン島などの牢獄につながれ、その生命は危険にさらされています。
 またチリのファシスト独裁政権は、上下両院を閉鎖し、いっさいの政党を禁止しました。さらに労働組合を解散させ、大学の学長に軍人をすえたばかりでなく、人類の英知である進歩的な書籍や文化遺産を焼きはらい、いっさいの報道機関を軍の統制下におきました。人刈りの狩りの対象は一般市民や聖職者にまでおよび、子どもたちは不安の日々を送っています。
 これらはすべて、チリ人民のなかに根をおろした一切の民主主義を破壊し、抹殺しようとするものにはかなりません。同時にこれは、ファシズムに反対し民主主義を愛する世界の人たちへの挑戦といわなければなりません。
 しかも、みのがすことのできないのは、チリの軍部ファシストの背後に、アメリカ政府や国際電信電話会社など大企菜の直接・間接の策謀があることです。
 しかし、いかなる力をもってしても、チリ人民がうちたてた不滅の金字塔、人民連合政府は、チリ人民の心からかき消すことはできないでしょう。またチリ国内で荒れ狂っているテロも弾圧も、祖国の主権と民主的自由の回復をめざす人民の正義のたたかいをおしとどめることはできないでしょう。
 だからこそ、死の直前までファシストたちの「腹黒さ」を糾弾しつづけた偉大な詩人パブロ・ネルーダの葬儀は、カービン銃の林にかこまれておこなわれたにもかかわらず、数百人の参列者のなかからは「インターナショナル」の合唱がわき起こり、それはやがて「アジェンデ万歳、人民連合万蔵」のシュプレヒコールとなり、公然たる反政府デモへと発展したのです。ラテンアメリカ諸国をはじめ、ヨーロッパ諸国では数万、数十万の抗議デモや連帯行動が急速にひろがっていったのです。
 すでに日本でも広範な民主勢力はチリ軍事クーデタとこれを背後からあやつったアメリカにたいする糾弾、逮捕・投獄されているすべての愛国者の即時無条件釈放の要求、田中内閣の軍事政権承認にたいする抗議、チリ人民との連帯集会や街頭行動、ネルーダ追悼集会、チリ軍事評議会議長ビノチェットを番組にとりあげた東京12チャンネルへの抗議などの諸行動をくりひろげてきました。
 そして、今日、これらの活動のうえに、チリ人民のたたかいを支持する活動をいっそう強めることは、日本はいうまでもなく、諸国人民の共通の事業、平和と民主主義、主権の擁護にたいし侵略と干渉をすすめているアメリカ帝国主義とチリの反動勢力に反対する国際連帯の闘争として、きわめて重要になっています。
 こうした立場から、わたしたちは労働組合、民主団体をはじめ広範な人びとと協力して、「チリ人民連帯日本委員会」を設立し、あらゆる支援・連帯行動を強力に発展させることが必要だと考えます。
 民主主義と自由を愛するみなさん
 わたしたちは、みなさんがヒューマニズムと国際連帯の精神にもとづき、この「日本委員会」に参加され、チリ人民との連帯のために奮闘されることを心からよびかけるものです。

 一九七四年二月六日
  浅野順一(牧師)
  有倉遼吉(早大教授)
  いずみたく(作曲家)
  市川敏(全印総連委員長)
  今中次麿(学士院会員)
  宇野重吉(演出家・俳優)
  植村環(YMCA名誉会長)
  浦田宣昭(日本民主青年同盟委員長)
  江口朴郎(法政大教授)
  尾崎陞(弁護士)
  大島博光(詩人)
  岡倉古志郎(大阪外大教授)
  岡村恵(中立労連事務局長)
  加藤親至(新聞労連委員長)
  金子満広(衆議院議員)
  櫛田ふき(婦団連会長)
  具島兼三郎(九大名誉教授)
  小森秀三(日高教委員長)
  上代たの(婦人国際平和自由連盟日本支部名誉会長)
  新藤兼人(映画監督)
  千田是也(演出家)
  高田博厚(彫刻家)
  田畑忍(同志社大名誉教授)
  竹村富弥(民放労連委員長)
  永戸祐三(全学連委員長)
  野村平爾(日本福祉大学教授)
  羽仁節子(日本こどもを守る会会長)
  平野義太郎(日本平和委員会会長)
  真下信一(多摩美大学長)
  松浦一(北大名誉教授)
  松本清張(作家)
  松本正夫(慶大教授)
  壬生照順(宗教者平和協議会理事長)
  山根銀二(音楽評論家)

(チリ人民連帯日本委員会パンフレット「アジェンデは死なず」)

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