A.チリの風土と人民のあゆみ
(1)チリとはこんな国
世界でいちばん細長い国
南アメリカ大陸の南西部、アンデス山脈と太平洋にはさまれた世界でいちばん細長い国――この国がいま、ファシズムとたたかっている人民の国チリです。
東側はアンデス山脈をはさんでアルゼンチンとボリビアにむかいあい、北部は砂漠をへだててペルーに接し、 西側は太平洋に面しています。面積は約七四万平方キロ(日本の面積は約三七万平方キロ)。海岸線の長さが約四、二〇〇キロですから、ちょうど日本をたてに二つならべたような国を想像すればいいわけです。
人口は日本の十分の一
人口は約一千万人、日本の人口の十分の一にしかすぎません。首都サンチチアゴは人口約二六〇万人、南米第四の都市といわれています。
人種別では、スペイン系七五パーセント、その他のヨーロッパ系二〇パーセント、五パーセントが原住民系でラテン・アメリカ諸国のなかでは、ヨーロッパ系住民の占める割合がもっとも高い国の一つです。東洋系は日系約七〇〇(うち一世は約二五〇人)、中国系約三〇〇〇と推定されます。国語はスペイン語。
気候、地勢のちがう三つの地帯
南北に細長い国なので、位置によって、気候、地勢など特徴がそれぞれちがう三つの地帯に大別することができます。
北部は、雨がほとんど降らない砂漠地帯ですが、チリのおもな産物である銅や硝石がとれます。
中部は、温暖な地中海性気候の農牧地帯で、首都サンチアゴをはじめ、第二、第三の都市バルパライソやコンセブシオン、有名な海浜避暑地のビニャ・デル・マルなど、チリの主要都市は、ほとんどこの一帯に集中しています。
南部は、南にくだるにしたがって雨が多くなり、熱帯のジャングル以上に森林が密生しています。石炭や木材 がとれるほか、粗放農業(自然物、自然力にたより、資本、労働力をあまり使わない農業)がいとなまれています。
さらにくだって、チロエ島からマゼラン海峡あたりになると、岩が多く年中氷河におおわれ、人間の居住に適しない地域となります。
日本に似て地震の多い国
チリの北部と中部には、万年雪と氷河におおわれた南米最高のアコンカグア山(七〇二三メートル)をはじめ、六〇〇〇メートル級の高峰が二〇以上もあり、火山も大小あわせて千をかぞえます。
地震が多い点では日本とよく似ていて、昔からしばしば大地震におそわれています。
一九六〇年五月のバルジビア付近の大地震のときは、その影響で、いわゆる「チリ津波」が太平洋をよこぎってわが国の三陸海岸にまで押し寄せ、大きな被害をあたえました。
変わった点では、四季が日本とほぼ逆になっていることです。それは、チリが日本からみて、地球の反対側にあるからです。春は九月中旬〜十二月中旬、夏は十二月中旬〜三月中旬、秋は三月中旬〜六月中旬、冬は六月中旬〜九月中旬となっています。
(つづく)
(チリ人民連帯日本委員会パンフレット「アジェンデは死なず」)
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