<反革命クーデタ>
(4)アメリカ帝国主義の攻撃
人民連合政府が広範な人民に依拠して「民族民主革命」を前進させるなかで、従来の支配階級――アメリカ帝国主義とこれに従属するチリの大資本家、大地主――は当然反革命的な策動を展開しました。
アメリカ帝国主義は、一九七〇年九月のアジュンデの大統領当選以前から、人民連合政権の成立を阻止する策動を行なっていました。「進歩のための同盟」にのっとったフレイ政権の「自由のなかの革命」の失敗が明らかになり、人民連合政権成立の可能性が大きくなるや、アメリカ帝国主義は一九六九年十月チリ軍部の一部反動派をそそのかして「予防クーデタ」を試みました。これが人民の反撃の前に失敗すると、大統領選挙に圧力をくわえるために、CIAがチリの反動派の新聞「エル・メルクリオ」に資金を与えて反共宣伝を展開させました。さらに、アジェンデの大統領就任を前にした一九七〇年十月には、CIAとアメリカ独占資本ITTがチリ軍部の反動派をあと押ししてクーデタの陰謀をすすめました。この時、軍隊の政治的中立と憲法への忠誠を主張してクーデタに反対したシュナイダー陸軍司令官は、反革命分子によって暗殺されました。
このように、アメリカ政府やCIA、アメリカ独占資本は、チリの反動勢力、軍部の反動派と提携して、すでに人民連合政府の成立前から、「予防クーデタ」や選挙干渉などの攻撃を行なっていました。これにたいして、チリ人民は統一と団結をもってたたかい、人民連合政権の樹立を成功させたのです。
人民連合政権成立後のアメリカ帝国主義の攻撃はいっそう綿密なものになります。アメリカ帝国主義はインドシナで地に追いこまれ、ラテン・アメリカでも新たな反米運動の高まりに直面していました。したがって、アメリカ帝国主義は露骨な軍事干渉はひかえて、人民連合政府による諸改革を経済的側面から妨害し、チリ国内の反動勢力と極左分子を使った転覆活動を展開しました。
第一は「みえない封鎖」といわれるものです。アメリカ帝国主義はこれまでチリの重要な経済部門を支配することによって年間二億ドルにものぼる利益をあげていました。そこで、人民連合政府がチリ経済をチリの手にとりもどすための諸改革に着手するや、米輸出入銀行、米州開発銀行、世界銀行などの国際金融機関は、チリの改革のために必要な資金の融資の要請を拒否して、これを妨害しました。チリの命綱である銅鉱山の国有化にたいしては、アメリカ人技術者を引き揚げることによって銅生産の円滑な発展を妨げたり、さらに差押えや銅の国際価格の引き下げ操作などによって、チリの銅輸出を妨害しました。
第二にアメリカ帝国主義はチリの反動勢力の反革命活動に援助をしてきました。一九七二年九〜十月、反動勢力は人民連合政府の諸改革を妨害して経済をかく乱し、中間的な立場にある人々を人民連合からきりはなすためにテロで脅迫したり、反政府ストを煽動したりしました。アメリカ帝国主義はこのストライキに五千万ドルもの資金を与え、二千人のCIA要員を潜入させて、これを指導したといわれています。
第三の攻撃は、チリ軍部の一部反動派にたいするクーデタ工作です。前に述べたように、アメリカ帝国主義は 人民連合政府の要請する借款は、ことごとく拒否しました。しかし一方で、軍部にたいする「援助」は惜しみませんでした。一九七一年には五百万ドル、一九七二年には千万ドルの軍事「援助」を供与しています。これらの援助で、従来アメリカ式に組織、訓練、教育されてきた軍部に、人民連合政府転覆のためのクーデターに決起するよう働きかけてきたのです。
このような反革命「援助」には、ほかにAID(国際開発局)による技術援助があります。この「援助」はとくに中間階級の買収や労働運動指導者の買収に使われました。また米州開発銀行はチリの反動的な大学に借款を与えています。
最後に、人民連合政府の諸改革政策を妨害し内戦を挑発するために、極左集団MIR(左翼革命運動)を利用しようとしました。これはCIAとITTの秘書文書に明らかされているものです。極左集団の暴力と挑発活動を利用して、「軍隊の介入を要する状況をつくりだすために」混乱状態をつくりだそうとするものでした。
以上のように、アメリカ帝国主義は人民連合政府樹立の以前も以後も一貫して、チリ人民の真の独立への道をはばもうとしてきたのです。
(つづく)
(チリ人民連帯日本委員会パンフレット「アジェンデは死なず」)
(4)アメリカ帝国主義の攻撃
人民連合政府が広範な人民に依拠して「民族民主革命」を前進させるなかで、従来の支配階級――アメリカ帝国主義とこれに従属するチリの大資本家、大地主――は当然反革命的な策動を展開しました。
アメリカ帝国主義は、一九七〇年九月のアジュンデの大統領当選以前から、人民連合政権の成立を阻止する策動を行なっていました。「進歩のための同盟」にのっとったフレイ政権の「自由のなかの革命」の失敗が明らかになり、人民連合政権成立の可能性が大きくなるや、アメリカ帝国主義は一九六九年十月チリ軍部の一部反動派をそそのかして「予防クーデタ」を試みました。これが人民の反撃の前に失敗すると、大統領選挙に圧力をくわえるために、CIAがチリの反動派の新聞「エル・メルクリオ」に資金を与えて反共宣伝を展開させました。さらに、アジェンデの大統領就任を前にした一九七〇年十月には、CIAとアメリカ独占資本ITTがチリ軍部の反動派をあと押ししてクーデタの陰謀をすすめました。この時、軍隊の政治的中立と憲法への忠誠を主張してクーデタに反対したシュナイダー陸軍司令官は、反革命分子によって暗殺されました。
このように、アメリカ政府やCIA、アメリカ独占資本は、チリの反動勢力、軍部の反動派と提携して、すでに人民連合政府の成立前から、「予防クーデタ」や選挙干渉などの攻撃を行なっていました。これにたいして、チリ人民は統一と団結をもってたたかい、人民連合政権の樹立を成功させたのです。
人民連合政権成立後のアメリカ帝国主義の攻撃はいっそう綿密なものになります。アメリカ帝国主義はインドシナで地に追いこまれ、ラテン・アメリカでも新たな反米運動の高まりに直面していました。したがって、アメリカ帝国主義は露骨な軍事干渉はひかえて、人民連合政府による諸改革を経済的側面から妨害し、チリ国内の反動勢力と極左分子を使った転覆活動を展開しました。
第一は「みえない封鎖」といわれるものです。アメリカ帝国主義はこれまでチリの重要な経済部門を支配することによって年間二億ドルにものぼる利益をあげていました。そこで、人民連合政府がチリ経済をチリの手にとりもどすための諸改革に着手するや、米輸出入銀行、米州開発銀行、世界銀行などの国際金融機関は、チリの改革のために必要な資金の融資の要請を拒否して、これを妨害しました。チリの命綱である銅鉱山の国有化にたいしては、アメリカ人技術者を引き揚げることによって銅生産の円滑な発展を妨げたり、さらに差押えや銅の国際価格の引き下げ操作などによって、チリの銅輸出を妨害しました。
第二にアメリカ帝国主義はチリの反動勢力の反革命活動に援助をしてきました。一九七二年九〜十月、反動勢力は人民連合政府の諸改革を妨害して経済をかく乱し、中間的な立場にある人々を人民連合からきりはなすためにテロで脅迫したり、反政府ストを煽動したりしました。アメリカ帝国主義はこのストライキに五千万ドルもの資金を与え、二千人のCIA要員を潜入させて、これを指導したといわれています。
第三の攻撃は、チリ軍部の一部反動派にたいするクーデタ工作です。前に述べたように、アメリカ帝国主義は 人民連合政府の要請する借款は、ことごとく拒否しました。しかし一方で、軍部にたいする「援助」は惜しみませんでした。一九七一年には五百万ドル、一九七二年には千万ドルの軍事「援助」を供与しています。これらの援助で、従来アメリカ式に組織、訓練、教育されてきた軍部に、人民連合政府転覆のためのクーデターに決起するよう働きかけてきたのです。
このような反革命「援助」には、ほかにAID(国際開発局)による技術援助があります。この「援助」はとくに中間階級の買収や労働運動指導者の買収に使われました。また米州開発銀行はチリの反動的な大学に借款を与えています。
最後に、人民連合政府の諸改革政策を妨害し内戦を挑発するために、極左集団MIR(左翼革命運動)を利用しようとしました。これはCIAとITTの秘書文書に明らかされているものです。極左集団の暴力と挑発活動を利用して、「軍隊の介入を要する状況をつくりだすために」混乱状態をつくりだそうとするものでした。
以上のように、アメリカ帝国主義は人民連合政府樹立の以前も以後も一貫して、チリ人民の真の独立への道をはばもうとしてきたのです。
(つづく)
(チリ人民連帯日本委員会パンフレット「アジェンデは死なず」)
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