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チリの夜明け 戦前の人民戦線から(4)第二次大戦後のチリ

ここでは、「チリの夜明け 戦前の人民戦線から(4)第二次大戦後のチリ」 に関する記事を紹介しています。
<かちとられた人民連合政府 一九七〇年九月>

(4)第二次大戦後のチリ

 第二次世界大戦が終わると、チリではアメリカ帝国主義とこれに従属した少数の資本家、大地主の寡頭支配体制が強化されます。そのなかで、一九四六年チリ共産党は急進党とともに「民主同盟」を結成して、急進党のゴンサレス・ビデラを大統領に当選させましたが、その後急進党は右傾化し、共産党との同盟を破棄し、一九四八年共産党を非合法化するまでにいたったのです。
 しかし、労働者階級と農民はみずからの階級意識を高めるとともに、支配階級の弾圧をはねのけて、非合法のストライキの決行をふくむさまざまのたたかいをつづけました。一九五二年の大統領選挙では、共産党と社会党、そして国家民主党の三党が「人民の戦線」(FP)を結成して、社会党の指導者サルバドール・アジェンデを統一候補にたてました。この選挙でアジェンデは約五万票を獲得しました。
 この時成立したイバニェス政府は人民弾圧を強化しましたが、チリの経済的困難は増大し、一方、人民のたたかいは強化され、統一戦線の結成が追求されます。そして、チリの労働者階級は、さまざまな共同闘争の積み重ねの上に弾圧をはねのけて団結をかちとり、チリ労働者統一中央組織(CUT)を結成します。CUTには共産党、社会党、人民社会党、急進党、アナーキスト、キリスト教信者などの広範な労働者が結集しました。このCUTを土台にして、さらにFPの経験を積極的にひき継ぎ、一九五六年四月、統一戦線としての「人民行動戦線」(FRAP)が結成されます。これには、共産党、社会党、人民社会党、人民民主党、民主党が参加しました。FRAPは、共産党、社会党を中心として統一を強化し、農民、都市貧民、未組織労働者など広範な人民に働らきかけ、一九五八年の大統領選挙ではアジェンデ統一候補は三五万票余りを獲得して、チリの統一戦線の成長ぶりを示しました。
 共産党は一九五八年、十年ぶりに合法化をかちとり、労働者、農民のなかで大担な活動を展開し、社会党などのその他のFRAPに参加する諸政党も勢力増強をつづけました。
 こうして、一九六四年の大統領選挙では、アジェンデは約九八万票を獲得して第二位になります。
 この選挙で成立したキリスト教民主党のエドアルド・フレイ政権は、FRAPの手の届いていない未組織労働者や農民にたいする影響力をその基礎の一つにしていました。
 したがって、彼らにたいしては「自由のなかの革命」を旗じるしとして、農地改革の約束をするなどの欺瞞的政策をとりながら、実際には大資本家、大地主、そしてアメリカ帝国主義の利益を最優先させ、多くの人民をFRAPの側へおいやることになりました。
(つづく)

(チリ人民連帯日本委員会パンフレット「アジェンデは死なず」)

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