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『夜の貨物列車』について「文学の友」から大島博光へ執筆依頼の手紙

ここでは、「『夜の貨物列車』について「文学の友」から大島博光へ執筆依頼の手紙」 に関する記事を紹介しています。
 前略、先日は色々と教えて頂いて本当にありがとうございました。僕たちの詩に対する考え方が随分深められたようで本当に感謝しています。
 あの日は僕が遅く出て来て、あまり話も出来なくて実に残念な思いが今しているのですが、いつかゆっくりお伺いしようと思っております。その折はよろしくお願いします。
 ところで、今日は折り入ってお願いがあってこの手紙を書きました。別に事あたらしく書くほどのことでもないのかもしれませんが、それではなんだか落ち着かず、それでくどくどしく書こうと思ったわけです。と申しますのは例の原稿のことです。ぜひ書いてください。期待しています。こばやし・つねお詩集に限定することなく、(僕たちの希望としては)「文学の友」に掲載された詩、サークルの詩、その他のものなどを(赤い詩人、ヒューマニズム詩集など)具体的に例をとって、今日の詩のあり方、その傾向、今日と問題、将来への方向展望などを、わかりやすく、面白く、書いていただきたいと思うのです。
 文学の友3月号の安藤次男の文学講座(詩はどうして創るか)は、いろいろな意味で失敗でした。というより悪い文でした。(そのことも詳しくお話し合って、僕の考えを深めてゆきたいとも考えているのですが)昨日手にしたので、新日本文学の関根弘、吉本、高橋などのものをまだ読んでいませんが、だから何も言えませんが、その文なんかも考慮願った上で、こんどの原稿を書いていただきたいと思っています。
 詩をつくる手引き、よい詩とはどういう詩か、詩における思想の表現の問題など、初歩的な人たちを主な対象として、サークルの詩人たちにも大切な問題の導きとなるような(ずい分くどくどしい注文ですが)文章をぜひお願いします。
 返信用はがきを同封してありますから、ご返事くださいますようお願いします。
 期日は2月25日までに(今月は28日までしかないものですから)枚数は17・8枚までにお願いします。(4ページから5ページを予定しています)。
 お返事を期待しています。草々
29年2月20日
                文学の友編集部 牛田幸雄
大島博光様

   ◇        ◇        ◇         ◇  
*『文学の友』(1954年1月~1955年2月)・・・1950年、新日本文学会から離れた江馬修や藤森成吉らによって創刊された『人民文学』(1950年11月~1953年12月)の後継誌。『人民文学』は、各地で刊行されたサークル誌の中心的存在であり、安部公房や野間宏らの文壇作家や小林勝・春川鉄男ほかの労働者作家、許南麒ら在日朝鮮人作家等が参画した民主主義文学運動の拠点であったという。

*こばやし・つねおの詩集は『こばやし・つねお詩集』(1948年 解放社)と、こばやし・つねお詩集『夜の貨物列車』(黄土社判 S28/10/20発行)の2冊があるが、この手紙は時期からみて後者についての執筆依頼である。この詩集の最後を小河内ダム反対闘争を歌った「小河内谷のじじいが歌」がかざっている。

夜の貨物列車


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