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「小さな集い」

ここでは、「「小さな集い」」 に関する記事を紹介しています。
先日、小宮山量平のミュージアムからお預かりした『武蔵野詩集』の原稿には1952年当時の社会状況(特に米軍軍事基地問題)や若者たちの日常が歌われていて興味がひかれます。職場や地域、病院内の詩のサークルから出してもらった詩だと思われます。

小さな集い
           犬吠崎 紹介

今日仕事をしながらふと口をついて出たうた
それは今日皆んなで歌ったうただ
長い間口ずさみすら忘れていた歌声
今日は体全体で腹の底から歌って
若い青春のうづきをよみがえらせた

そのうたは
春のあたたかな小雨の歌を
真夏の強烈な日ざしの歌を
秋は黄ばみゆく芝生に日を一杯うけ
冬は同胞とストーヴを囲みうたうただ

鉄のごとき体を父から受け継ぎ
やさしき子守うたを母からきいた日 本の若者は
今、武蔵野に歌声を起す

女は豊かな乳房の胸いっぱいに
男はたくましい胸いっぱいに
いきを吸い込んで
いささかのはじらいも今は消え
たくましく男がうたう
バスとテノール
細くやさしく女がうたう
ソプラノとアルト
みんな一つになった時に
働く仲間の集りは
美しいメロデーの中で
すくすくとしづかに
しづかに育っていくのだ、

(草稿『武蔵野詩集』)


団結
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