「詩について考える」と題して八町敏男さん(『狼煙』編集長)がお話しました。
はじめに菊田守「しっぽ」と塔和子「バラの木」の2詩を題材として朗読。
「路傍で拾った光り跳ねているとかげのしっぽ 家に持ち帰って牛乳ビンの中に入れると その中でも跳ねている 夕陽を浴びて跳ねている 真夜中にそっと覗いたときも跳ねている……」(菊田守「しっぽ」)
夢の中で<わたし>はたくさんの色のあるしっぽにかこまれ、青いしっぽにつまずいて目が覚めます。赤は生命、青は死、黄は苦悩のしっぽなので、死への不安・恐れが暗示されています。
「……薔薇である誇らしさ/薔薇であるさびしさ/薔薇である幸/薔薇である不幸をもって薔薇である……」(塔和子「バラの木」)
ハンセン病患者として隔離された療養所で生きた詩人塔和子。この詩でも薔薇たる自己の尊厳を現実に対峙してきびしくかかげています。
ついで、詩作における精彩ポイントとして、
・その詩には発見があるか
・疑問が出されているか 問題意識が鮮明に出されているか
・追求・探求の姿勢が鮮明に出されているか
・批評精神が働いているか
・感動がでているか 願望がでているか
・その詩には意志の格闘があるか
そして、
◯詩作品の多くは弱者の立場に立って謳われるものであるし、またそうあって欲しいものである。
◯詩人は時代をしっかりと見据え、余地能力のアンテナをしっかり張り巡らし、時代を覆ってくる危機感を察知しなければならない。(杉本真維子氏の発言より)
など、詩人のありかたについてわかりやすく話されました。
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