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アポリネール「ミラボー橋」

ここでは、「アポリネール「ミラボー橋」」 に関する記事を紹介しています。

ミラボー橋


ミラボー橋


解説 大島博光(詩人)
 今月はギョーム・アポリネール(1880〜1918年)の 有名な詩「ミラボー橋」ともう一つの詩を選んでみました。
 アポリネールは数人の女に失恋した詩人で、「振られた男の歌」という長い詩も書いています。彼が女画家マリー・ローランサンに失恋した話も有名で、この「ミラボー橋」はその失恋の想いを歌ったものです。1907年に彼は才気あふれるマリーに出会って、すぐ夢中になります。彼女は当時およそ25歳。パリ西南部ミラボー橋に近い右岸のラ・フォンテーヌ街に母親と二人で住んでいました。マリーとの親交を深めるためにアポリネールはその近くのグロ街に引っ越したほどです。しかしふたりの仲はうまくゆきませんでした。その失恋の想いは「ミラボー橋」のなかに美しく結晶したのです。過ぎ去ってゆく恋と過ぎさる時の流れとを重ねあわせて、詩人は失恋の悲しみをうたうと同時に、時の流れの無常さをうたっています。
(つづく)
(「愛のポエム──ギョーム・アポリネール」『学習の友』1979.6)



 ミラボー橋

ミラボー橋の下 セーヌは流れ
    われらの恋も 流れる
  思い出さねばならぬのか
苦しみのあとに 悦びはくる

日が暮れれば 鐘が鳴り
日日は去り わたしは残る

手と手をとり 顔向きあわせていよう
    そのあいだにも
  つないだわれらの腕の 橋の下
永遠の眼(まな)ざしの 疲れた波が流れ去る

日が暮れれば 鐘が鳴り
日日は去り わたしは残る

恋も過ぎ去る 流れるこの水のように
    恋も過ぎ去る
  なんと 人の世ののろいこと
そして希望のなんと激しいこと

日が暮れれば 鐘が鳴り
日日は去り わたしは残る

日日は去り 月は過ぎ去る
    過ぎ去った時も
  恋も 二度とはもどって来ない
ミラボー橋の下 セーヌは流れ

日が暮れれば 鐘は鳴り
日日は去り わたしは残る
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