『世界の終り』『炎の剣』(1)

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『世界の終り』『炎の剣』

 一九六九年七月に出版された『世界の終り』には、ネルーダの孤独、幻滅、懐疑などの精神的思想的状況がにじみ出ていると見られる。スターリン批判以来の絶望的情勢、核戦争の脅威など、科学的発見や社会的進歩がみられたにもかかわらず、この二○世紀はネルーダにとって期待はずれなものであった。この世紀を人間の世紀にしようとたたかってきた人びとの理想をうちくだき、裏切ってきたからである。この闘争に参加してきたネルーダはそれを認めずにはいられない。彼にとって二○世紀は「いつわりの勝利の世紀」であり、「断末魔の世紀」である。自然は変ることのない祭りを人類に提供しているのに、人間は研究所の奥で悲劇的な祭り──原爆の祭りを企んでいる。

  もう一つの祭りが準備されているぞ
  世界の自殺が             (「原爆」)

(つづく)

(新日本新書『パブロ・ネルーダ』)

川

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