友よ わたしが死んだら
大島博光
友よ 友よ わたしが死んだら
灰になった わたしのひとつまみを
わがふるさとの 赤坂橋の上から
千曲川の流れに まき散らしてくれ
海へくだった鮭が さいごには
生まれた故郷の川へもどってゆくように
わたしも育った川に 帰ってゆき
そこに いつまでも漂っていたい
子供の頃に浮かべた 笹舟のように
そこに漂って いつまでも見ていたい
微笑んでくれた 岸べの菫を
そこに漂って 思い出していたい
岸べで 菜を洗っていたおふくろを
わたしを生きさせてくれた人たちを
(1956年1月「信濃毎日新聞」)
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