英雄・殉難者・詩人たちの名誉 3)詩の批評(Ⅱ)

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3)詩の批評(Ⅱ)

 すでに書いたように、エリュアールがレジスタンスのなかで書いたものは、レジスタンスの歴史と重なり、ひとつとなる。
 一九四○年六月、老詩人サン・ポル・ルーが隠棲の地ブルターニュのカマレにおいて、ドイツ兵の暴行の犠牲となった。眼の前で愛娘はドイツ兵に凌辱されて殺された。
 一九四二年五月、「レットル・フランセーズ」紙の創刊者ジャック・ドゥクールがパリで銃殺された。彼はあの有名な手紙をのこして死んだ。
 「……わたしは自分をあの木から落ちて腐葉土となる一枚の木の葉のように考える。腐葉土の質は木の葉たちの質に依るだろう。わたしはフランスの若者たちのことを言っているのだ。彼らにわたしは希望のすべてをかけている……」
 エリュアールはこの二人のために「詩の批評(Ⅱ)」を書き、そこに一九三六年にファシストに銃殺されたガルシア・ロルカをあわせて追悼する。

  火は森をよび覚ます
  幹を心臓を手を木の葉たちを
  軽やかにまじりあい甘く溶けて
  ひとつの花束となった幸福
  それはすばらしい太陽や燃える森の
  緑の泉に集まる
  友だちたちの森だ

  ガルシア・ロルカは殺された
  ただひとつの言葉と
  生きるために結びあわされた唇たちの家よ
  涸れた瞳のなかに
  涙もないほんの小さなひとりの子供
  未来の光は
  一滴また一滴と人間を満たす
  まぶたの透きとおるまで

  サン・ポル・ルーは殺された
  彼の娘は踏みにじられた

  似たような街角のある凍(い)てついた町よ
  おれは夢みる 花のなかに果実を
  まるごとの空や大地を
  終りのない遊びのなかで
  見つけられた処女のような
  色あせた石よこだまのない壁よ
  おれはきみたちに微笑みを無理強いしない

  ドゥクールは殺された

(つづく)

(新日本新書『エリュアール』)

バラ


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