地下生活と『グレヴァン博物館』2)『ブロセリアンドの森』

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2)『ブロセリアンドの森』

 『ブロセリアンドの森』(一九四二年)もこの頃の情勢をよく反映している。その序文は言う。
 「一九四一年にもまして一九四二年には、フランスじゅうがブロセリアンドの森に似ていた。森のなかで、ヴィシーの魔法使いたちとゲルマニアの竜騎兵どもが、すべての言葉に、呪文めいた、ゆがめた意味あいを与えていた。もはや何ものも、その本来の名まえで呼ばれなかった。あらゆる偉大さが卑(いや)しめられ、美徳が嘲笑され追害された。ああ、それは、奥方たちが魔法にかけられ、姫君たちが囚われる時代であった。いたるところの路上で遭遇戦が起こった。突如として現われた騎士たちが、年寄りや子どもたちを助けた。墜格子を揚げた城からは、不審(ふしん)な呻めき声が聞こえてきた。時が進むにつれて、ますます多くの、無名の騎士たちが武器を手にとって立ち上った。かれらの名は、ロジェやピエールであり、ダニエルやジャンであった。ますます多くの勇士たちが現われ、かれらの武勲は、武装した兵隊や首切り人や、鬼どもや大男どもの眼をかすめて、口から口へと、フランスの森じゅうに伝えられたのだ」(『詩における歴史的正確さについて』)
(つづく)

(『アラゴンとエルザ 抵抗と愛の讃歌』)

森




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