紅い花
大島博光
きみはわたしよりも先に死んだ
わたしに泣いて歌えというように
きみはわたしを孤独に残した
詩を書くほかはないかのように
孤独は氷室だ こころも凍る
エリュアールは孤独を憎んだ
岩の裂け目に スミレはつける
岩の水気を吸って 青い花を
わたしはうたいたい 紅い花を
きみの愛した駒草のような
きみは死んでもわたしを生きさせる
きみはいまもわたしにうたわせる
一九九五年五月
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