『エルザの眼』(9)エリュアールとの再会

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 一九四一年、ジョルジュ・デュダックが、ニースに住んでいるアラゴンをたずねてくる。そうして、パリへ行って党の指導部と連絡をとるようにと伝える。六月二十三日、アラゴン夫妻とデュダックは、被占領地帯と自由地帯との境界線を越える。ちょうどその前夜、ヒトラーのソヴィエト攻撃が開始されていたので、警戒は厳重をきわめていた。運わるく、彼らは三人とも、ドイツ軍のパトロール隊につかまって、トゥール市の騎兵隊の兵営に拘留される。正規の身分証明書をもっていたのにも拘らず、十日間も引き留められる。彼らは、南仏から来たのではなく、パリから来たのだと主張して釈放され、パリへ「もどされる」ことになる。そのうえ、父親が病気だという口実で、パリへ行ってニースに帰える通行証まで手に入れる。この監禁中にアラゴンは「獅子王リチャード」を書く。

 かれらがパリに着くと、エリュアールが駅で待っていた。アラゴンとエリュアールは、一九三三年の訣別いらい会っていなかった。その頃、エリュアールは入党したばかりであった。そういうわけで、エリュアールは妻のヌーシュとともに、アラゴン夫妻を迎えにきていたのである。エリュアールはエルザに花束を贈り、ヌーシュは手作りのパイをアラゴンに贈る……

  エリュアールの花束の なんと心うったことか
  パリ・リヨン・地中海線の駅で

  ここで兄弟がまた手を結んだのだ
  あんなに長いこと別れていた兄弟が……
                       (『眼と記憶』)
(つづく)

(『アラゴンとエルザ 抵抗と愛の讃歌』)

エリュアール
ピカソ「エリュアールの肖像」

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