ネルーダ 愛の詩 百の愛のソネット(15)

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 ネルーダは、死をのぞき見ながら、そこにまた未来を──「青い時代」をのぞき見ないではいない。そのためにこそ、かれは歌いつづけてきたのだから……

  おまえがおれを愛してくれたこの時代も過ぎさり
  青い時代がやってきて それにとってかわるだろう
  おんなじ骨のうえに ちがった肌がやってきて
  ちがった眼たちが この世の春を見るだろう

  おれたちをふん縛った奴らは ひとりもいないだろう
  はかない煙と語らった奴らも もういないだろう
  暴君どもや 闇商人や かげろうのたぐいは
  この星のうえに もう うごめかぬだろう
                  (九六番めのソネット)

 ──自分たちは、「この世の春」のためにたたかい、準備したが、ついに見ることはできなかった。しかし、「ちがった眼たち」──のちのひとたちがその春を見るだろうという詩句には、おのれの義務をはたしたものの満足と未来への委託をうかがうことができる。そして「おれたちをふん縛った奴らは ひとりもいないだろう」という一行には、ながいあいだ、お尋ね者として官憲につけねらわれた、ネルーダの骨身にしみた思いがこめられているようである。
(つづく)

<『愛と革命の詩人ネルーダ』>


96番目


土手


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