「鳩の歌」を西島史子さんが朗読

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<2010年11月3日に開かれた大島博光生誕100年記念のつどい(松代文化ホール)でのライブ録音>


 鳩の歌
                  大島博光

わたしは鳩だから どこへでも飛んでゆく
風のように 世界じゅう 飛びまわっている

わたしの巣立った巣は ヒロシマ ナガサキ
ゲルニカ アウシュビッツ オラドゥール

わたしはそこで焼かれて 灰のなかから
不死鳥のように また 生まれてきたのだ

そこで焼かれた人たちが血と涙の中から
仰ぎ見た あの空の虹が わたしなのだ

わたしは大きな不幸の中から生まれてきたから
わたしのほんとうの名は 幸福(しあわせ)というのだ

わたしの名を呼んでいるところ どこへでも
わたしは三つ葉の小枝を咬(くわ)えて 飛んでゆく

赤ん坊に乳をふくませている母親の胸のなか
新しい朝を迎えた 若い恋人たちのところへ

ごらんなさい ボンで ローマで ロンドンで
うねっているわたしの波を 「人間の鎖」を

地獄の敷居にすっくと立って叫んでる人たちを
白いミサイルも赤いミサイルも まっぴらだ

この地球がまるごと ヒロシマのように
焼かれて 殺されて 瓦礫とならぬように

どんな毒矢も わたしを撃ち落せはしない
わたしは生そのもの 人類そのものだから

どんな絶望もわたしの翼を折ることはできない
わたしは 大きな死と闘うためにやって来た

わたしの またの名を 希望というのだ
わたしは大きな春と未来のためにやって来たのだから

                 (一九八三年 詩集『ひとを愛するものは』)


ひまわり
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