心のなかのスペイン──スペイン戦争(下)「死んだ義勇兵の母親たちにささげる歌」

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 一九三六年九月四日付の、「反ファシズム知識人同盟の機関誌「エル・モノ・アスル」(菜っぱ服)五月号に、「死んだ義勇兵の母親たちにささげる歌」という詩が掲載され、「この詩はある大詩人の筆になるものであるが、本誌編集部は現時点ではその名前を明らかにしない方がいいと考える」という注が書き添えられていた。むろんそれは、そのときマドリード駐在チリ総領事パブロ・ネルーダにほかならない。外交官の立場上、その名前を公表することがはばかられたのだ。このすばらしい詩は恐らくスペインの悲劇について外国の詩人が書いた最初のものであった。

  彼らは死にはしない 彼らは硝煙のただなかに
  すっくと 立っている
  燃える蠟燭の芯のように

  お母さんがた 彼らは麦畑の中に立っている
  深い正午のように高く
  ひろい野っぱらを見おろして

  彼らは 音も陰陰と鳴りひびく鐘だ
  殺された鋼(はがね)の身をとおして
  勝利を告げるのだ
  ……
  悲しみと死に心もひき裂かれたお母さんがた
  ご覧なさい 大地からあなたがたの死者たちが微笑みかけ
  その拳(こぶし)を表畑のうえに振り上げているのを  (『地上の住みか』)

(つづく)

(新日本新書『パブロ・ネルーダ』)

鳩と


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