アジアの旅・滞在(上)

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 アジアの旅・滞在

 一九二七年、ネルーダは友人の紹介でラングーン(ビルマ)駐在名誉領事に任命され、外交官生活に入る。外交官になった事情について、かれはこう語っている。「チリ人はみんな旅行好きで、航海好きだ。チリでは、みんなが外国へ行きたがる。わたしも外国へ出かけて行くうまい方法はないものかと探した。金がなかったからである。そのときわたしは、領事になったらいい、と教えられた。そこでわたしは外務省に出かけて行って、どこか、ポストをあたえてくれるように頼みこんだ。ある日、ある人がわたしに言った。
 ──領事になりたいというのはきみか? やさしいことだ。いっしょにきたまえ。──
 外務省のその事務室には世界地図が掛けてあった。わたしが赴任するように命じられた場所には、まさしく一つの穴がしるしてあった。わたしはあまりうれしくなって、それがどこなのか、尋ねることも忘れてしまった。──その穴のしるしてあった場所は、ビルマのラングーンだったのだ。
 一九二七年六月一四日、ネルーダはラングーンに向けてサンティアゴを発ち、ブェノス・アイレス経由でリスボンまで「バーデン」号に乗船する。七月一六日マドリードに着き、二○日にはパリを訪れ、それからマルセイユへ行き、そこからふたたび船に乗ってラングーンへの旅に出る。初めて訪れたパリについてはつぎのように歌われる。

  パリ 魅惑的な薔薇
  蜘蛛の巣のような古い建物が
  銀色に輝いてそこにあった
  流れる河の時間と
  ノートル・ダムにひざまずく時間のあいだに
  さまよう密蜂の群
  人類家族にひらかれた都市(みやこ)……      (『イスラ・ネグラの思い出』)
(つづく)

(新日本新書『パブロ・ネルーダ』

パリ
オペラ・コミック座

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