むごたらしく殺された少女について

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 むごたらしく殺された少女について
                          ルイ・アラゴン 大島博光訳

おまえたちはふたたびやってきて 空しくも
野獣のように地獄をくりひろげることもできよう
銃の台尻で われらの扉を打ち破ることもできよう
   ドイツ人ども

だがおまえたちにもできぬ もうこの子を揺り起こすことは
少女は見開かぬうちに死んでしまった その大きな眼を
何ものにもできぬのだ 死よりも強いあの美しい夢を
   少女からもぎとることは

いまにもよみがえり呼吸(いき)するかのように その顔を
乱れた髪のなかに埋めて 少女は眠る
夜はその小さな手のなかに そっと握らせる
   彼女の祖国を

少女はもうもたない あの重い思い出を
散るべくして蓄微はきよらかに蒼ざめる
やさしく やさしく やさしく少女は忘れる
   生きることを 見ることを


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