ネルーダ 愛の詩 百の愛のソネット(12)

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 ネルーダの愛の歌では、女は男の自己中心主義の対象ではなく、ゆたかな大地であり、生命の源泉である。

  おまえの接吻(くちづけ)の中で ありとあるすべてのものを
  おれは抱く 砂を 時間を 雨の降る樹を
  おれはおまえの生命(いのち)の中に 生きとし生けるすべてを見る
                  (八番めのソネット)

  まるごとの女よ 肉の林檎よ 月の火よ
  濃い昆布の匂いよ 光に 鍛えられた泥よ
                   (一二番めのソネット)

  そうだ おまえという地球のひとくれを おれは愛する
                    (一六番めのソネット)

 ひとたび、ネルーダの詩において、大地と肉体の境界がとっぱらわれると、愛と世界とは、みごとに結びつけられる。愛は「大地の蜜」など、もろもろの物──要素(エレメント)によって養われ、それらをまた変形する。しかし、ネルーダのアニミズムは、けっして拝物主義(フェティシズム)におちいることがない。それは、生命・人間存在と事物とのあいだの、もっとも神秘的な諸関係を弁証法的に把(とら)えているからである。
(つづく)

<『愛と革命の詩人ネルーダ』>


一二番め


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