原爆をゆるすまじ
北條さなえ
妻のうた
冬さり 春はきても
幸せは もう かえってこない
ビキニの怖ろしい死の灰があの人をうばっていった
やさしい笑み 力強いこえ
それはどこえ いってしまったのだろう
よべど もう 答えてくれない
ただ一人の 愛する人よ
いま われらは あてどなく 暗い谷間をたどる
ああ この心のそこの 深い 悲しみ 憤りよ
子の声
かえしておくれ かえしておくれ
だいじな だいじな父さんを
かえしておくれ かえしておくれ
人々の声
泣くな君よ わがはらからよ
悲しみの中から みんな立ち上ろう
涙の中から たくましい力をくみだそう
泣くな君よ わがはらからよ
手と手を 心と心を しっかり結べ
久保山さんの死を 空しくはさせまい──
泣くな君よ わがはらからよ
さあ みんなで力をあわせて おいはらおう
水爆の悪まを 死の灰を──
おいはらおう──
(「日本のうたごえ」のうちから同人北条さなえの作をここに収録した──編集部)
(『角笛』12号 1955年1月)
北條さなえ
妻のうた
冬さり 春はきても
幸せは もう かえってこない
ビキニの怖ろしい死の灰があの人をうばっていった
やさしい笑み 力強いこえ
それはどこえ いってしまったのだろう
よべど もう 答えてくれない
ただ一人の 愛する人よ
いま われらは あてどなく 暗い谷間をたどる
ああ この心のそこの 深い 悲しみ 憤りよ
子の声
かえしておくれ かえしておくれ
だいじな だいじな父さんを
かえしておくれ かえしておくれ
人々の声
泣くな君よ わがはらからよ
悲しみの中から みんな立ち上ろう
涙の中から たくましい力をくみだそう
泣くな君よ わがはらからよ
手と手を 心と心を しっかり結べ
久保山さんの死を 空しくはさせまい──
泣くな君よ わがはらからよ
さあ みんなで力をあわせて おいはらおう
水爆の悪まを 死の灰を──
おいはらおう──
(「日本のうたごえ」のうちから同人北条さなえの作をここに収録した──編集部)
(『角笛』12号 1955年1月)
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昨日の記事でご紹介したクラス通信の三年後の1991年の夏、これも二年生のクラスの生徒に向けて書いた文章です。 読み返して見ると、3年前の文章を使い回している部分もかなりあります。「コピーアンドペースト」という用語はまだ存在していないか、少なくとも一般的ではなかった頃ですが、実質はそれです。今も昔も、同じようなその場しのぎをしておりますな《汗)。 重複部分は除いて、文章に書き起こしてみ...
2016/08/04(木) | ナードサークの四季