ネルーダ 愛の詩(3)

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  蜜に酔った白い蜜蜂よ おまえはおれの心の中で羽音(うなり)をあげる
  ゆっくりと過巻く煙りのように 身をくねらせる

  白い蜜蜂よ おまえはおれのそばにいないのに 羽音(うなり)はつづいている
  おまえは ほっそりと声もなく 時間の中に生きつづけている
                          (『蜜に酔った白い蜜蜂よ』)

 失った恋びと──「白い蜜蜂」は、恋する男の心のなかに、絶えず捻りをあげて飛びまわっている。また、恋ごころをそそるように「身をくねらせる」。そして彼女は、恋する男の「時間の中に」生きつづけているのである。ここで詩人は、いかにもフランス象徴派風な繊細のイメージで愛をえがいているが、それと同時に、微妙な時間の意識をとらえている。恋にとりつかれた男の苦しさ、狂おしさは、時間の意識として、意識されているのである。
 ここにいち早く、時間という問題が、ネルーダの詩のなかに顔を覗かせている。そして時間という主題は、その後かれの詩のなかにやはりくりかえし現われてくる主題の一つとなる。時の無常さは、古今東西の詩人たちが歌わずにはいられなかった主題ではあるが……。
(つづく)

<『愛と革命の詩人ネルーダ』国民文庫 1974年6月>

バラ

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