アラゴン「社交界の唄」

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社交会

(角川書店『アラゴン詩集』─初期詩篇)

アーチ


 社交界の唄

クラーリッジ・ルーロンの運転手よ
繰り人形どもの ばか笑いは たちまち
鳴物入りの大騒ぎにとって代る
山高帽がはばをきかす国では

明るく輝やく 新聞のなかで
絶望の 語呂あわせが
夕ぐれの飾りに ひっかかる
機関銃のリズムで

いろいろの問題 感情 苦悩で
きみらは きみらのレースを編む
花のなかから生まれてきた ものたちの
もって生まれた のらくら暮しのために
安逸怠惰の うつくしい手が
まいにち 優しいとはかぎらない
熊用の堀のなかの 熊たちの方が
優しさの点では はるかにまさっている

あの犬どもの 墓場で
むかしの 恋の歌が泣く
ミミ もどっておいでと 恋の歌が
また始まると ミミはもどってくる

仕事は いろいろと姿を変える
泥棒たちの 穴倉で
取引所で 価値の天国で
秩序の坑内ガスが爆発する

家家のいかがわしい影は
おれたちの夢みる槍鎌に似ている
きみたちの 虚偽の裏声は
牢獄のこだまを 呼び起こす

マデレーヌ教会と
フランス下院とは
おんなじ 鯨の歯をもつ
貧乏人どもに平和あれ

避暑地の 駅にいる
着飾った ひとたちに祝福あれ
りっぱなトランクをさげて 冬のスポーツの
雪の中にいるイギリス人たちに 祝福あれ

仕立屋と ひとを手玉にとる政治家と
刑事と 淫売婦のひもと 投機と
ビール会社とスエズとシェルとリオと
これぞ まさしく 資本主義世界
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