ラビアンローズの歌声喫茶

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ラビアンローズ
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バラ



 ラビアンローズの歌声喫茶
              嶋田誠三

喉を覗き込んでいた 女医さんは
「歌でも歌ったらいいかもしれないわ」
 と首を傾げながら言った。
ひとりぐらしの老人の私は 近所とも
面倒なので 朝の挨拶ぐらいしかしない
うっかりすると 一週間も十日も誰とも話さない

そうしたら 声が出ない かすれてしまうのだ
「ひどくなると 食べ物を飲み込むのがおおごとになるわ」
と女医さんは心配そうに言った
正月年寄りが 餅が喉に支えて死んだという話もある
不安になってしまった私は
「高齢者対象の『「歌声喫茶』」の話しを聞き
勇気を出して藤岡市の公民館に飛び込んでみた

会場は公民館の三階 入り口には「ラビアンローズ 歌声喫茶」とポスターが貼ってる
おそるおそる部屋に入ると
書物に囲まれている私生活とは 段違いに明るい
おままけに 大部分が女性で年配者も多い
だが華やかで楽しそう
彼女たちはお喋りも得意だが
歌いはじめると 声がそろう 楽しい大合唱
わたしにとっては別世界の広場

新参者だから前の方の席で
それでも久しぶりに わたしも声を張り上げていた
それが ラビンローズの耳にとまって
「歌ってごらんなさい」とマイクを渡された
最近の歌は駄目だが
昔の歌 日本抒情歌なら 少しは知っていた

小学校の時 ボーイソプラノでうまかった
成長して高い声が出なくなり 歌わなくなって数十年
それでも マイクを握って声が出た
歌いおわったら 老人激励のサービスで拍手をいただいた
それから四か月 今は常連 なにしろ気兼ねなく歌える
歌っているうちに 楽しくなって 若返る

わたしは 昔背広で仕事をしていたサラリーマン
蔵まってあった背広とネクタイで行く 若返った気持
ここに参加する女性は みな若々しく きれいに見える
藤岡の歌声喫茶 新町の歌声喫茶 そろって一○○人を超える
高崎のほとんどの地区に 歌声喫茶は広がった
評判を聞いて 藤岡市役所の職員が視察に来た

ラビアンローズが
「白い花の咲く頃」を歌わないかと誘った
わたしはいいところを見せようと「夜明けの歌」を歌った
ラビアンローズ歌声喫茶に 市の職員は感動
五月に市の主催で藤岡市民ホールで
ラビアンローズ歌声喫茶が開かれることになった
六月には「歌声喫茶ラビアンローズ七周年記念会」が前橋で開かれる
会費がちょと高かったが、申し込んだら
驚いたことに もう予約が二○○人を超えたという
ラビアンローズは
「わたしは若い頃、流行歌手を目指したが果たせなかった
だが山名で歌声喫茶をはじめ、みなさんに歌う喜びを伝えよう
と皆さんと共に歌い続け 数百人集めるリサイタルも開けた
皆さんのおかげだ 有難う」
その言葉に わたしは打たれた 歌も素晴らしいが 人間も素晴らしい
ラビアンローズ 武井礼子は
 どんな歌手よりも
  新しい時代の
   みなに元気と希望をあたえる すてきな歌手だ
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