『不寝番』 訳者あとがき

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 訳者あとがき

 わたしがはじめてゴーシュロンを知ったのは、詩評論『詩・レジスタンス』(一九七九年)によってである。スペインの人民戦線、およびフランスの人民戦線の歴史と詩の歴史を語り、レジスタンスの歴史と詩の歴史を語って、その好著はわたしに多くの示唆を与えてくれたものであった。
 その後彼は、『ウーロップ』誌に、秀抜なアラゴン論を書いた。若くしてアラゴンの近くに親しんで指導をうけた「身近さ」によって、具体的で実践的なアラゴン像が描かれ、彫まれることになった。そして数十年をへて、詩集『不寝番』(一九九八年)が刊行され、わたしははじめてゴーシュロン詩集を知ったことになる。
 膨大な量に達するアラゴンの詩業に比べれば、ゴーシュロンの詩集は数冊に過ぎないのかも知れない。しかし、数少ないその「非純粋詩」は、その「状況の詩」は、歴史の真実を語り、詩の真実を語り、実践的な詩の真実を語っている。しかも、「辛辣なアクチュアリテ」を獲得しているのである。
 小さい詩集であっても、光芒を失うことなく、歴史とともに光りかがやくものであるとわたしは信じている。
       二〇〇三年五月
 
 (ゴーシュロン詩集『不寝番』 2003年6月)

門

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