ルヴェルディ「パリのクリスマス」

ここでは、「ルヴェルディ「パリのクリスマス」」 に関する記事を紹介しています。
 パリのクリスマス
              ピエール・ルヴェルディ

モン・ブランのうえに 雪が降っている
巨大な鐘が いんいんと鳴る
黒衣をきた行列の一隊が 下界へ降りてゆくまで、

こころは 隠された火で 燃えている
厖大な影が サクレ・クール寺院のまわりをまわる
ここは モンマルトル
月が きみの姿のように圓い(まる)
頭のかたちをしている

炎の いっそう熱く燃える時代
わたしたちの生きているこの時代
みんな それぞれ小さな星をもっている
星たちは 地をはらばっている
街は暗く 空は明るい

ただ ひとりの男が 向うの高みで
夜も眠らずに 見まもっている
長い 白い きものを着て
あしたは 日曜日である

ひとびとはこの家から出て行く
陽気そうでもないが
ひとつの幸福が生れて まだふるえている

世界のいちばん大きな廣場は あちらがわにある
けものたちが 走ってゆく
けものたちは 何が起きたか もう見ようともしない
大むかしの奇蹟は 通り越されてしまう

ひとびとのうごめくくら闇の底から
ひとりの男がのぼってくる 頭をむきだしにして
太陽が その頭のうえに かかっている
その太陽がもう見えなくなると 祭りが始まる

深夜

ひとりの男が前を歩いてゆく
ひとびとがそのあとを ぞろぞろとついてゆく
向うにセーヌ河が流れている
水のうえを渡ってゆく足音がきこえる

あとの残りは 夜のレストランで行われる
                (大島博光譯)
関連記事
コメント
この記事へのコメント
コメントを投稿する
URL:
Comment:
Pass:
秘密: 管理者にだけ表示を許可する
 
トラックバック
この記事のトラックバックURL
http://oshimahakkou.blog44.fc2.com/tb.php/2768-a68ed77d
この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)
この記事へのトラックバック