木村廣「小白川の詩人たち」(5)土谷麓の反戦詩

ここでは、「木村廣「小白川の詩人たち」(5)土谷麓の反戦詩」 に関する記事を紹介しています。
反戦詩のながれ あしたへの脈絡──小白川の詩人たち(5)

土谷麓は学校を出て山形市の須賀井製本所に入って製本工となる。山形新聞編集にいた鈴井正博は、三浦矢一郎と土谷のすぐれた詩の才能を認め、山形で他に比類する詩人はいない、と明言していた。
土谷の上京のきっかけは、さる旦那衆の娘と恋に落ち、一緒に上京しようとしたことからだったが、肝心の彼女は駅に来なかった。土谷は働きながら文学に専念するため、そのまま上京、両角製本に入る。
長野出身の田中茂子を知り、やがて結婚する。三浦矢一郎、鈴井正博らと同人詩誌を発刊する。敗戦も迫り、東京大空襲で戦災を受けて帰郷する。

   

北支──
河は血を含んでながれていました
その河は真っ赤な河でした
その河の水をのもう
のどの渇きをうるおそう
──胸は機銃の掃射を受けていました
耳の穴からにごった水がにじんでくる
体は血の衣で濡れている
土地は生血が必要なのか
わたしはどんよりした頭の中で
うたいながら死んでゆく

馬は日本の兵隊であり、自分なのだ。
土谷は軍隊には行かなかった。実際に経験しなくとも、土谷の詩人としての想像力が詩にも出ている。

小白川の
関連記事
コメント
この記事へのコメント
コメントを投稿する
URL:
Comment:
Pass:
秘密: 管理者にだけ表示を許可する
 
トラックバック
この記事のトラックバックURL
http://oshimahakkou.blog44.fc2.com/tb.php/2735-8f89cdc5
この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)
この記事へのトラックバック