ネルーダ「おまえは たそがれ……」

ここでは、「ネルーダ「おまえは たそがれ……」」 に関する記事を紹介しています。

16 おまえは たそがれ……
 
               ラビンドラナート・タゴールに想を得て

おまえは たそがれ おれの空にうかぶ雲だ
姿かたちも 色も みんなおれの思いのまま
おまえはおれのものだ 甘いくちびるをした女(ひと)よ
おれは果てしもない夢想を おまえの上に 馳せるのだ

おれの心のランプは おまえの足もとの薔薇を照らし出し
悶えるおれの苦酒(にがざけ)は おまえのくちびるには いやましに甘いのだ
悲しいおれの たそがれの歌を刈り入れる女(ひと)よ
おれの孤独な夢想のなかで わが恋人よ

おまえはおれのものだと 夕ぐれのそよ風に叫んでも
おれのかなしい声は 風とともに消えさるばかり
おれの眼の奥からおまえが追いたてても おまえの獲物は
おまえの濡れた夜の眼ざしのように じっと動かぬのだ

おまえは おれの音楽の網にとらえられた
おれの歌の 空のように広い網目のなかに
おまえのそのもの思わしげな眼の縁(ふち)で おれの心は生れた
そしてその眼とともに 夢想の国がひらけるのだ

(角川文庫『ネルーダ詩集』──「二〇の愛の詩と一つの絶望の歌」)

たそがれ

関連記事
コメント
この記事へのコメント
コメントを投稿する
URL:
Comment:
Pass:
秘密: 管理者にだけ表示を許可する
 
トラックバック
この記事のトラックバックURL
http://oshimahakkou.blog44.fc2.com/tb.php/2701-f511ab53
この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)
この記事へのトラックバック