ネルーダ「夕陽がはかない最後の炎で」

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 2)夕陽がはかない最後の炎で

夕陽が はかない最後の炎で おまえを包んでいる
おまえは蒼ざめて もの思わしげに 悲しげに
たそがれに よりかかっている
おまえのまわりを たそがれの古いプロペラが廻っている

恋びとよ おまえは死者たちの時刻に黙りこんで
孤独のなかに ただひとり
燃えさかる火に みちあふれ
滅びさる一日の 名残の光を浴びている

おまえの着物の黒のうえに ひと房の陽が射し
夜の 果てしない大きな根が たちまち
おまえの魂から伸び
おまえの中に隠れていたものが 外に現われでる
青い蒼ざめたポプラの木が それを養分としで摂り
おまえから 生れでる

おお 黒くなったり 金色になったりする
壮大で 豊饒で 磁力にみちた奴隷よ
おまえの生きいきとした世界を
そこにうち立て 手を加え 仕上げるがいい
花花が萎れるまで
なんと そのすべての 悲しげなことかに

(『ネルーダ詩集』──「二〇の愛の詩と一つの絶望の歌」角川文庫)

バラ

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