パリの雨
オレンジ色のパリの屋根に雨が降る
ヴェルレーヌの心に降った雨が降る
ひとつひとつの積み重ねた石が見える
むきだしの 灰色の壁のうえに雨が降る
雀が二羽 よりそって雨宿りしている
煙突のひさしの上にも 雨が降る
わたしはひとりでパリに病んでいる
ベッドにねて それらを眺めている
むこうの屋根裏部屋の窓べに立っている
赤シャツの男も やはり雨を眺めている
しとしとわたしの心に夏の雨が降る
そして旅愁ということばが身に泌みる
(一九八〇・八)
(ひとこと)
大好きなパリに数ヶ月滞在したことがありますが、ホームシックにかかって急に帰国しました。
成田空港に迎えに行くと、もう元気になっていましたが、この詩でむこうでの様子がわかりました。
「ビュット・ショーモンの公園」という詩でも「・・・好きなパリも/ひとりぼっちでは地獄のようだ」「ビュット・ショーモンの鯉よ/さようなら 明日はもう多摩川だ」と、異国でのさびしさと帰国がきまってほっとした心持ちを書いています。
オレンジ色のパリの屋根に雨が降る
ヴェルレーヌの心に降った雨が降る
ひとつひとつの積み重ねた石が見える
むきだしの 灰色の壁のうえに雨が降る
雀が二羽 よりそって雨宿りしている
煙突のひさしの上にも 雨が降る
わたしはひとりでパリに病んでいる
ベッドにねて それらを眺めている
むこうの屋根裏部屋の窓べに立っている
赤シャツの男も やはり雨を眺めている
しとしとわたしの心に夏の雨が降る
そして旅愁ということばが身に泌みる
(一九八〇・八)
(ひとこと)
大好きなパリに数ヶ月滞在したことがありますが、ホームシックにかかって急に帰国しました。
成田空港に迎えに行くと、もう元気になっていましたが、この詩でむこうでの様子がわかりました。
「ビュット・ショーモンの公園」という詩でも「・・・好きなパリも/ひとりぼっちでは地獄のようだ」「ビュット・ショーモンの鯉よ/さようなら 明日はもう多摩川だ」と、異国でのさびしさと帰国がきまってほっとした心持ちを書いています。
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