きみらにはわからない

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一九九二年八月三日(月)くもり 十月のように涼しい

あざ笑うがいい 地獄におちた男の呻めきを
あざ笑うがいい 理性を失った男の叫びを
あざ笑うがいい 狂った男の狂った声を
あざ笑うがいい 夢にとり憑かれた男の
 さまよいを うわごとを
   *
きみらには 他者の眼のなかに光る 光が見えない
きみらには 木の葉のふるえおののきが 見えない
ふみつけられ ふみにじられたものの痛みも
 きみらにはわからない
ぺてんにかけられ 搾りとられるものの
 怒りは きみらにはわからない

きみらにはわからない
 人間のなかの柔かい夢が
 人間のなかの人間そのものが
きみらにはわからない
 駆りだされて殺された兵士の呻めきが

きみらにはわからない
ピカドンに灼かれた母と子の慟哭が
きみらにはわからない

きみらには 幹のなかを昇る樹液が聞こえない

(日記1992年)

空 

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