『島田利夫詩集』(コールサック社)

ここでは、「『島田利夫詩集』(コールサック社)」 に関する記事を紹介しています。
『島田利夫詩集』が新たに佐相憲一さんの編集によりコールサック社から出版されました。

島田利夫の詩は瑞々しい抒情性に溢れながら、根底に働くものの心情への共感と連帯の呼びかけが流れています。今日的なとても魅力のある詩集だと思いました。

  われらの街は ささやきに充ち──
  花から花へ 吹き流れる花粉のように
  家々の扉を結ぶささやきに充ち──

  一人の悩みで 別の瞳を濡らしながら
  恋人でもない 別の瞳を濡らしながら
  涙を誘うささやきに充ち──

  一人ののぞみを 五人のランプに灯しながら
  兄弟でもない 五人のランプに灯しながら
  おののきやまぬささやきに充ち──

  ・・・

  それを掛ける 未来の日々に焦がれながら
  とりきめられた符号のように
  友が友である証明(あかし)を 互いの胸に刻みながら

  泉の底に めぐり流れる地下水のように
  われらは持つ そのささやきを
  そのうずき そのどよもし そのたかなり

  野には 野には 流れる花粉
  風荒れる月日の中に
  われらの街はささやきに充ち──

  (「われらの街はささやきに充ち」)

詩集の最後に嶋田誠三さん(島田利夫の兄)のあいさつが載っています。
「・・・それ(利夫の死)から約六十年、時は流れ、彼を愛した人々、彼の詩に感動した人々の多くもすでに死亡しましたが、十一冊のノートに遺された利夫の詩は、今も燦然と輝き、若い新しい時代に働きかけてくれることを願って、私はみなさんにこの詩集を届けます。」




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